イデアマスター

イデアマスター―GLASS HEART (バーズノベルス)

イデアマスター―GLASS HEART (バーズノベルス)

6年ぶり。。。。。。ネタバレありです。
オーラバスターシリーズもグラスハートシリーズも「ファンタジー」とか「バンド物」というよりは「青春小説」だという若木さんの意見に同感だけども、青春小説ってのは、出るペースも結構大事だと思うのよね。書くほうも変わっていくだろうし、読む方だって変わっていっちゃうし。その年代、その状況だったからこそ、びびっと来るものってあるよね。まあ、何年かたって読み直して新しい感じ方ができる、ということもあるけど、それは、最後まで出たものを読み直してそういう感じ方ができたらいいと思う。間隔開かない方がいいのは作者もわかっててのことでしょうし、「書いたほうがいいから書ける」ってものでもないのもわかるけど、ある程度のペースも作品の質の一つだと思うんだよな。。。
んで、レーベルも最終巻だけ違ってる、と。幻冬舎ノベルスですっけ。これから既刊もここから出しまーすと言われても。それはもう一度全部買いなおせということですか?いろんな事情があるんでしょうが、最終巻1巻ぐらい、同じコバルトから出してほしかった。2段組の新書と文庫じゃ文章の見え方も違ってくるし。
さらに、というか、まあレーベルが違うんだからそうなんだろうけど、イラストも違ってる、と。うーん。漫画はまだ読んだことないからわからないけど、イラストだけ見たらこの朱音ちゃん全然魅力ない。表紙もなんか首長いなぁって思うし、中の朱音ちゃんも、わざわざなぜこのイラスト?て感じました。羽海野さんのも、ちょっと女の子色が強かったし、最初の橋本さんのが一番、この小説に合わせるのにいいと思った。朱音ちゃんて、ものすごいシンデレラストーリーの主人公ともいえるので、憧れの対象にもなるけど、妬みの対象にもなる、微妙な位置だと思うのね。だから、女の子女の子してない、野生の感じのある、橋本さんの絵でちょうど、朱音ーがんばれよ、って感じになれると思うのですわ。
で、中身なんですが、いいと思いました。藤谷さんの、人とか自分に対する信頼とか愛情とかの話、坂本君もそんな感じかなぁ、あとバンドの中の高岡さんの存在、とか、色々入ってて、最終巻だなという感じで。そして、女であること、というのがこの話全体のテーマだったんだなと。まぁ勿論これまでの話の中にもそういうエピソードや展開はあったんだけど、なんていうのかな……うーん。思ったよりその比重が大きかったというか。
しかし西条さんは無敵キャラになりすぎというか…もう天才といわれたらどうしようもないよね…はい。元々、ドラムは遊び程度でしかやったことないのに超ハイレベルなプロのバンドのドラムに抜擢されて、全然通用しちゃい、いろんな人に認められ…って展開で、それでもう十分というか、もうぎりぎりで、うん、音楽に対する真摯な姿勢があって、その独特のリズムの感覚が大きな武器なんだなって納得しようとしているのに、歌とか言い出して…ドラマーさんが歌う必要なんてあったのかなぁ。ていうか。ないと思いました。そんなのなくてよくないですか?歌うしかないよみたいな藤谷さんの話が全然わかんない。
そして、桐哉の、カリスマ云々という発言がありましたが、えーと…読んでから時間経って詳細を忘れちゃった、それを読んでね、そうだそうだ、と思い、そんで、なんだ、若木さんからこういう台詞が出てくるんだ、それならば若木さんが毎回「命懸けて小説を書いている」とか「死にそうになった」とか言うの、やめて欲しいよなあって思いました。なんていう台詞だったかな…。いや若木さんがそういう思いや姿勢で書いているというのを否定する気はないんですが、そんなこと言われてもなぁっていつも思うので。それは読んだ人が感じ取ればいいことだと思うし…。ああ、なんだったかな。大事なことを忘れてしまった。
さてグラスハートはこれで完結しましたが、オーラバスターとイズミはどうなるんでしょうか…。完結するのかな…。するとしてもこのペースだと私も50歳くらいになっちゃいそうです。。。