モンスター 百田尚樹

モンスター

ひとさまのブログで引用されていた箇所がすごく面白かったので期待して購入。
でもそこが一番いいところだったみたい。
美人とはブスとは、美人の心理・ブスの心理、美人やブスに対する男や社会の態度、整形、風俗、などについていろいろ調べて、構成して、で、できましたって感じ。
誰とも深いかかわりを持たずに生きてこなければならなかったためだといえばそうかもしれないけど、出てくる人たちがこう、なんでしょう、薄っぺらいというか、「ブスを馬鹿にする役」とか「クラスの美人」として一言ふたこと喋ったら終わりみたいな感じで、もう少しその中でも例えば主人公が強烈に憧れる存在とか嫉妬する存在の美女がいるとかして関わりを描いてあったりしたら面白い気がするけど。男性にしても、崎村はよかったけどそのほかの人たち…英介もなんかどうも希薄というかよくわからんかったしな……まあ、英介への恋っていうのは「小さいときの思い出の王子様」っていう刷り込みが膨らんでるものだから、今現在の英介がどんな人間かっていうのはそんなに大事じゃないのかもしれないけどね。あとメイクや服装については妙に薄かったな。「最高のメイクをした」とかって。
なんだろう…描写がないこともないし面白くなくないこともないんだけど、もうちょっとうわ〜ってくるものが欲しいような。うーわーこれはリアル！っていう表現が。実体験がないからかなぁ。ってそれは知らんけど。文庫で読むぐらいでよいなと。
あとモンスターってのはどういう意味のモンスターだったのかな…不細工すぎてモンスターと呼ばれていたからでは単純すぎるし恋のために整形を繰り返すモンスターってのもなんか違う気がするし…
最後もよくわからんまま終わってしまった感じだけど、それは敢えてなのかな。本当の気持ちがどうでももうこれで十分、っていうことなのかな。