屋上ミサイル

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)

「そのケータイはXXで」が、読むの諦めるほど超絶面白くなかった(というか文章に耐えられなかった)ので、「このミス」の賞なんて全然意味ないんじゃないの、と思っていたのですが、「毒殺魔の教室」が結構面白かったのに優秀賞?だったので、大賞はどんなんかな、と思って購入。
ふむふむ 面白い。
長いのでたたみます
「屋上ミサイル」と「臨床真理士(今は「臨床真理」)」で票が真っ二つだったと。4人の選考員のうち2人ずつが一方にAをつけて、もう一方にBじゃなくCをつけた、ということでした。
まあ、選考員の皆さんが書いているとおり、伊坂幸太郎さん好きなんだろうな〜というのは、読んでてばっちし感じました。
私は、シーンの切れ目にちょっとフフって感じの決めの台詞が毎回入るとこで、特に、あー伊坂さんっぽいって思いました。
で、そっから考えると、この、会話の面白さなんかも、通じるものはあるかもな。という気もします。あとは、無茶苦茶なんだけどポリシー持っててなんかかっこいい登場人物とかも。ロックとか殺し屋とか政治家とかもそれっぽいという目でみればそれっぽいかな。
まあ、しかし、伊坂さんが面白いからといって、じゃあ真似して書いてみたら面白いかといったら、面白く書ける人は少ないと思うので、この人自身、面白く書ける人だろうなぁと思う。
主人公は伊坂主人公とはちょい違う感じもするし(まあ女の子だから違うんかもしれんけど)、そんで、特別に何ができるってわけでもないけどなかなか魅力的。
その主人公の視点で進んでいくので、んで、周りのキャラもちょっと漫画的な面白いキャラクターなので、全体的に楽しいんだけど、ちょっと話が、なんていうかなぁ、メリハリがないというか。講評にも書いてあったけど銃と殺し屋の本筋はどうなったんかいというか、ま、あとでもいいんだけど、なし崩し的に後回しになってる感があるので、これ全部で1個の話、じゃなくて、罰神様の話、陸上部の女の子の話、とかって、章分けて書いてあったほうがいい気がしました。
あとは、偶然が重なるのがOKかNGかということですが…ん〜、結局どのくらい偶然があってどういう構造になってるんだっけ、というのを整理してないのでなんとも言えないです。
しかしとにかく、読んでて面白い文章と会話、あと魅力的なキャラクターがよかったと思うので、次の作品に期待!です。伊坂さんとは違う伸びしろがある、という評もありましたが、その辺がどんなもんかなっと楽しみ。