インターセックス

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ミステリー部分がうまいこと溶け込んでなくて違和感を感じました。まあそこがメインじゃないんだろうけど。
 
ネタばれせずに書けることがあまり思い浮かばないのでもうバラします
院長の犯罪が発覚するきっかけ、つまり、病院に保存してあった、翔子の友人のものであるはずの血液が別人のものであったことが発覚するきっかけが、翔子のなんとなーくの思いつきだけって、そんなバナナ。。
「いつか新しい方法が開発されたときにまた調べられるように」と、これまでに検死して死因が不明だった人全ての臓器と血液のサンプルを保存するような人が、「臓器の色が不自然だとは思ったけど〜、血液検査したら問題がなかったので忘れてました〜」って。現実には、「あとから考えたら、そういえば気づいてたわ俺!」なこともあると思うけど、お話としては、ナシだと思う。
しかもそれだけでなく、運転手の死因についても、「思い返してみると両方のこめかみに焦げあとついてたけど、メインの傷がすごかったので気をとられて忘れてました〜」って。普通生活しててこめかみに焦げ跡つかないよね。ど素人が見ても不思議に思うところを二人がかりで検死しても注意しないって、しかも気づいてはいたって(数年後に解決するためね)、どういうこっちゃ。都合よすぎ。
 
そして登場人物みんなが翔子を崇め奉っているのがかなりキモい。いや、崇めているというか、逆に無礼だったりもするんだけど。そりゃ綺麗な女性が職場に新しく加わってきたら、ウキウキする人もいるだろうし、素敵〜ってファンになる女の子もいるでしょうが、やりすぎ。浜まつりでしたっけ?ビーチで職員のパーティーみたいなのあるんですが、翔子が水着で出て行ったら、「これはこれは秋野先生!モデルや女優も顔負けですな、いや、カメラ持ってくればよかったな、おい、○○君、カメラだ!」なんつって、うざいことこの上ない。この時だけでなく、この人だけでなく、誰も彼もこんな調子ですからな。そして女性スタッフは誰もかれも翔子に憧れており、「並んで泳げるだけで光栄だ」とまで言われる始末。まぁ、これだけ不自然に女性として完璧完璧連呼するからには、何か意図があるのかな、とは思いましたけども。翔子もインターセックスでしたと。そうすると、翔子の内面の描写がちょっと足りなかったように思えるんだけども、まぁ、そこは、構成上しょうがないのかな。ミステリーという形を借りて、インターセックスについて語る本、ということで、話のつくりについてはあんまり考えない方がいいのかな…。
といってもですな、どんだけ優秀か知りませんが34歳の翔子を院長にっていう結末も、うそーんとしか思えず、その必要あるのかって感じ。患者のことを考えられる医者で、華やかな存在感もあるのだろうけども、秋野先生が来たら祭りもめっちゃ盛り上がったし、ぜひ院長に!って言われても…。行く行くは院長になって欲しいけど、まずは、性に関わる分野の医療に精力的に取り組んでください、で、いいんじゃないの?なんか院長の入れ込みようが過剰すぎて、恋は盲目みたいな感じに見えて、却って胡散臭く感じちゃった。