セリヌンティウスの舟

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫)

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫)

表紙がいい感じでしたので買っちゃいました…
タイトルの文字の色とか好きだったのさ
この人のは合わないからもう読まないと思っていたのに…
迷う時間もなかったので…買っちゃいました
 
石持さんの作品の中の善悪の基準とか論理展開の方向とかが
どうも違和感感じてしまうのです毎回。
でも今回は、「ルールはひとつ。信じること。」ってことなので
なんかなんかなんかな〜って思っちゃう収まり悪い感じが
ないんじゃないかなっと期待して、読みましたの。
うん
いつもよりはかなりいい感じでした♪
 
が。
繰り返し語られる、その、無条件に信頼し合える関係、だか、心から信頼し合える関係、だかがどんなものなのか、ちょっとよくわかんなかった。
まあでもそこは、あの経験を乗り越えたものだけが感じられるのだっていうんだから、わからなくてもしょうがない。
とはいえ、そんな強い関係が何故、6人揃ったときでないと成立しないのか、その中の2人が結婚したり、子供が出来てダイビングに参加できないぐらいで何故壊れてしまうのか、その辺がやっぱり謎。
そんなのでほんとにそんな深い関係なんだろか?無条件でもなんでもないじゃんって。
その辺がやっぱり、この人のわかんないとこなんだよなーと思う。
 
まあ、今回の推理はそういうルールで考えていくんだよっていう単なる「枠」というかルールだと思えば、それはそれでありだと思う。
で、そういう感じで読んだ感想としては、面白かった。
 
ただそれとは別に、人間のドラマとして読んでしまうと、前言ったようなことが気になってしまう。ラストにしても、そんな、信じる信じるいってるけど、単純に、そんなことされたら大ショックだと私は思うんだけど…彼らの論理的には裏切りでないとしても、そんなさぁ。
このまとめ方がほんと、この人らしい後味の悪さだわ。なんでこっちの方向行っちゃうんだろ。
 
そういや、この話、最近読んだ別の本で(めっずらしいことに経済の本だよ♪)出てきた「アンカリング効果」ってやつかな、って思いました。早速一個役立った♪