ゆれる

明日の記憶」に続き、またもや、香川照之さんてすごいなーと思いました。
明日の記憶」は、あの、会社人の「感じ」、うーん、ノリっていうか、それがすごい出てるなーと思ったんですけど、
それで、会社人どうしの駆け引きとか演技とかもある付き合いの中での謙さんへのエール(エールってなんか恥ずかしいなー)がすごいリアルにぐっと来たのですが、
今回は、もちっと細かい、「表情」にどきどきびくびくしました。
笑ってるけど目だけが冷たくなった、とか、目だけ泣いてる、とか、小説にはよく書いてあるけど、
あー、これだー、って。
真木よう子さんもよかったと思いました。
原作のない邦画って久々に見たかも。
面白かった…というとなんか違うかなぁ、
ミステリー的な面白さもありつつ
登場人物達の鬱屈がね、身近…というか自分にとって結構リアルで、あ〜〜…なんかいたたまれない…て感じでした。
なんかもういたたまれなさでメソメソ泣いちゃうような。
あとネタバレ。
真木さんは
キレイなのにあんましもうそういうのに気ー使ってない感じ、自分とか未来に期待して
ない感じとか
日ごろもうそんなには意識してないような鬱屈がひとつのきっかけでグワッと来ちゃって
もう切羽詰っちゃって、重い女になっても構わない!みたいな感じとか、
ちょっと諦めモード入りつつもそれなりにやれてた場所とか人とかが、
突然耐えられなくなったりとか
そういう感じがこれまたリアルに伝わって来ました。
見てて一番ガーンと来たのは、
お父さんが、新聞紙を干してるとこ。
裁判の後。
あれ、七年後のシーンなのかな?
七年後、ってテロップはその次のシーンまで出てなかったので、
裁判の直後かと思って、ガーンと来た。
長男と二人暮らしで長男が洗濯→仕事の前に大急ぎで自分で洗濯→一人ぼっちで新聞紙洗濯っていう3段構えが、ガーンのあとで改めてジワっと効いて来ました。
そこの衝撃が大きくてね、オダギリさんが昔の自分たち家族の映像見て涙ってとこには
あまり入れなかった…
あと最後、兄ちゃんはうちに帰るのか?ですね…
帰るんだったら、無表情→バス→乗っちゃった?乗っちゃった?→バス去る→笑顔、になりそうだから
(こりゃまたベタに説明しすぎかもしれませんし、ハッピー感過剰かもしれませんが・・・)、
無表情→笑顔→バスってことは、乗ってしまった、ということなのかなーと思ったり。
しかしそれは悲しいので、そんな悲しい話はちょっといやなので、
バスは映画のシメのカチンコってことで、兄ちゃんはおうちに帰ったら、いいかなあ…
帰れるかなあ……
ところで裁判のシーンの木村さんは、演技がどうとかいう話ではなくて、
木村さんがここに…と思ってしまい、どうも浮いたように感じてしまった。
演技が盛り上がるほど。