虚無への供物 下

新装版 虚無への供物(下) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(下) (講談社文庫)

うーん 合わなかった・・・
長い長い道程を楽しめず、ひたすらフラストレーションをかかえつつ進む・・・けどゴールに私が求めていたものはなかった・・・みたいな。まあ求めている人に求めていないものを敢えて出すってのがこの本の目的かもしれませんが、800ページぐらいかかってそこに行き着くと。
昭和の風俗とか一族の呪いとか植物学とかお不動様とか久生ちゃんのお金かかってそうなお洒落とかミステリー談義とか盛りだくさんで豪華ですので、結構パワーあるときに読むのがいいと思います。
そういういろんな要素があって、複数の探偵の推理合戦、そしてあり得ないような現実との符合・・・とめくるめく、て感じで展開していくんですが、推理がすごいパワーで進められていく割には事件自体にそれほど興味を引かれず、また探偵たちが差し迫った危機を感じている訳でもなく日程的にはのんびりやってたりもするしで、なんだかなあ・・・という感じで。読み進める動機があんまなく。まあそういうことも全てテーマの内とも言えるのかな。。。
↓ちょっとネタバレ?
ルルタビーユならぬムレタビンユウがうんぬんとかつまらんダジャレやったり、あれはいつやろうこれは今度にしようと「俺は分かってる」感醸し出しながらみんなを連れ回して仕切りながらも肝心なことは言わなかったり、70ページだかもある小説書いて「この中から僕の本当に言いたいことをくみ取って欲しい!」とか言うムレタさんに最高にいらついちゃった。
「自分はすべて分かったよ〜だけど今はまだそれを言うときではないんだ・・・フウ・・・でも材料はすべて揃っているから、正しく思考すれば君にも分かるはずだよ・・・☆」とか言うタイプの名探偵ってあんま好きじゃないんだけど、今回のムレタさんは探偵の中でもかなり上位で嫌いなタイプだな・・・。