カラスの親指 by rule of CROW’s thumb 道尾秀介

わりと評判がよい気がする「カラスの親指」文庫化されていたので読んでみました。

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

うーん シリアスさとコミカルさのミックス具合がしっくりこない感じでした。
登場人物がそろうのと一通りの背景説明に500ページ中300ページ位かかっているので、「それでこれは何の話?」という感じで、読み進める意欲もなかなかわかず。
命を狙われているのに金を奪うことで反撃というのでは状況の改善にならない気がしたけど、気持ちの問題?
なんだか都合よく進み過ぎた感があってあまり納得できませんでした。
以下ネタバレあり。
デザインしょっちゅう変わるから背景色も色々変わっちゃうんだけど、一応白字にしておきますー
メインの作戦部分、普通に読んでいても「こんなんでうまくいくの?」「こんなにうまくいくの?」ていう違和感があるから、「実はあれは成功するべくしてしていたのでした!」と明かされても「な、何だって!?しかし改めて考えてみればうまくいきすぎ!」というような気持ちの良い驚きを感じることができませんでした。
作戦失敗→解放後、命の心配がなくなった安心感、結果はどうあれ共同で一つの事をやり終えた達成感、過去や現状に対して能動的にアクションを起したことで区切りがついた感、とか、ま、あるんだろうけど、なんか…肉親を奪った相手への憎しみとかはどこへ…みたいな…
そして最終章ですべてが一人の手によって導かれた出来事だったことに主人公は気づくわけだけど、それはそれで、あまりにも思い通り進み過ぎじゃないの?という感じで、納得できず…
貫太郎は結局無関係な人間だったわけで、なにやら都合のよい存在だったなぁと思ったりしました。