BG、あるいは死せるカイニス

BG、あるいは死せるカイニス (カッパ・ノベルス)

BG、あるいは死せるカイニス (カッパ・ノベルス)

今回は、人はみんな女性として生まれ、その中で一部だけが男性化する、という世界のお話です。主人公遥のお父さんも昔は女性で、そのときに産んだ子供が、超優秀で有名なお姉さん。優秀なので男性化候補の筆頭でした。ところがそんなお姉さんが殺されてしまい…というお話です。
毎回設定が面白い石持さんですが今回も興味深かった。
以下ネタバレ


主人公は姉が超優秀であるのに対して自分はごく平凡な人間だと思っているのだけど、話の随所で「呑気そうに見えてこの子はすごいわ」みたいな評価が入り、実は姉以上に大物なのはこの主人公でした…という展開になるよ!って感じムンムンなんですが、どうもそのすごさが、わからない。
他の石持さんの作品でも、大抵、「この人の思考力半端じゃないよ!」みたいなことを示すデモンストレーション的なシーンがあるんだけど、いつも、ゴタゴタいってるけど、そんなたいした話じゃないよね…とか、なんか考え方偏ってない?とか、思ってしまう。
多分石持さんの持ち味といわれている「緻密な論理」とやらと自分の相性が悪いんだな。
って毎回言ってるよね。
でも設定が魅力的なのでつい読んでしまう、というのも毎回言ってる。
 
で。上に書いてるのは大昔に下書き保存したやつでして、今はかなり記憶が薄れてますが、ミステリーとしてと言うよりは小説として、石持さんの中ではかなり面白かった印象があります。けど2人目の殺人でBGになるのをやめようと思っていたはずの子を殺すのはよくわからなかったなー…というメモが書いてありますので、そこが納得いかなかったようです。