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α―アルファ― (集英社文庫(コミック版))

α―アルファ― (集英社文庫(コミック版))

+α-プラスアルファ- (集英社文庫(コミック版))

+α-プラスアルファ- (集英社文庫(コミック版))

駅から5分」の感想をちらちらと読んでいる中で、評判がよさそうだったので購入。「α」の表紙がかわいい。
「α」の方は、短編集なんだけど、各話の物語の登場人物を4人の俳優が演じているというつくりになっております。この話はAとBが出演、あの話はAとCとDが出演、という風に。「駅から・・・」とはまた違う仕掛けです。
まぁそういわれても、「α」単体だと、単に男女の顔が2パターンずつある、というぐらいにしか思えず、知りもしない「天水キリ」さんだとか「三神妃子」さんとか言われてもなぁって感じもちょっとするんですが。名前が凝ってるだけに、よけい押し付けがましさを感じてしまうというか。モノローグに頼らずに、表情とか仕草で、重要な部分を示してあることも多いので、話を成立させるためには、大根演技させるわけにもいかないし。なので、役者自体の個性はそんなにわからない。というか、わかる必要はないというか。まあ、その配役とかにも意味があるわけですが、それは次の「+α」で漸く、意味を持ってくる、ということで。「+α」は、それを演じている4人の俳優の物語になっております。「α」→「+α」→「α」と読むとαが2回楽しめてよいかな。
しかしですね、α単体ももちろん、「+α」の仕掛け準備ってだけじゃないので、各話それぞれ楽しめます。宇宙船?の話がかわいくて好きです。
「+α」では、舞台に出演してもいない娘の誕生祝いを千秋楽のうちあげでやってしまう大物俳優三神さんに少々引いてしまったのと、「天才」とか言われるわりに「好きな子と初めて話すシーンだな」と言われて初めてわかったような妃子さんに少々疑問を抱いたりもしたんですが、あとなんだろう、弱いお嬢に見えてほんとはたくましいんだよっていう妃子さんのキャラはもっと好きになれそうな気がするんだけどそこまででないのはなんでだろうなぁ・・・嫌いじゃないんだけど。ま、いっか。不満いっぱい!みたいな書き方になっちゃったけど、そんなことなくて、面白かったです。私は理一君に興味があったんだけど、あんまり明かされなかったな・・・。
話変わるけど、恐怖の表情とか驚愕の表情とかが、ヒロインにありえないくらいのことになってて、それがなんだか印象的です。