空白の殺意 (創元推理文庫)

空白の殺意 (創元推理文庫)

んー
普通の推理小説
で、解説 折原一さんによると、この作者の作品の中では普通ゆえに異色作、
てことでしたが、ほんとオーソドックスな感じ。 

かなり前の作品なのですが、
派手な女子高生がやることがアパートに友達を呼んで音楽をかけてダンスをすることという以外は特に時代の違いを感じることもなく。
まあ、紺のスーツ+毛皮+赤いベレー帽といういでたちが「大人っぽい」ものであるかどうかは判断つきませんでしたが…。毛皮とベレー帽???そしてスーツってどんな??
あと、このぱりぱり(原文ママ。あ カタカナだったかな?)の現代っ子の趣味が実はおじさんおばさんに人気のロートル歌手の歌謡ショーを見ることだった、という設定は、なんの意味があったんでしょうか。
 
ちゃんとヒントが出てて最後に答えが出てて、というつくりは楽しかったけど、
(ちょっとヒントを強調しすぎ、というか、うまく馴染んでなかった気がしますが)
トリック重視というにはあんまり目を見張るような仕掛けもないし、
ドラマの方は、各自の役割はわかるけど感情的に入れ込めるまでの描写ではないし、
文句もないけどお気に入りにもできない感じでした。
 
ところで作者の目指してた微妙な心理的仕掛けってなんだった?
 
話変わりますが
折原さんの解説にバリンジャーの「歯と爪」がやたら出てきましたが、あれ、ちょっと不満なのよねー。
だって一番「どうやって!?」て知りたいところが、あれなんだもん。
ずるーって思った。
 
あとネタバレ。
モーテルに駐車されてたわけと猫が代わってるのはバレバレなのだけど
中々そこまで話がゆかず。ま、それはいいんだけど、
なんで三毛猫なんだろう。
飼ってる猫の柄が変わってたらわからないか?と読みながらずっと疑問でした。
が、飼って間もない上に旦那さんは仕事で現場に泊り込みが多いって言ってたから、そんなもんかなー。
でも顔が違うのわかんないかなー。とかちょっとモヨモヨするんで、
黒猫かなんかにしておいて欲しかったなー。三毛である必要性はなかったと思うし。