赤い指

赤い指

うーん。
微妙。
面白くなくはないけども。
コピー負けって感じ・・・

どこにでもある家族を襲った悪夢と救済の二日間。

襲ったっていうか…。思い切りやっちゃってるしな…。
救済…?「最低」から1歩だけ引き返せたという意味ではそうかもしれんが。
 

家族という怪物からは誰も逃げられない。

というけど、どっちかというと、自分という怪物、って感じでした。
こんなの人間のすることじゃない、て思いながらやっちゃうという。
 
あとこれは、まあ、いいんだけど、

全員血の繋がった家族は、日本中どこにもない。

ていうコピーは「おっ」と思ったんだけど、
考えてみたら四親等以上?以下っていうの?の結婚という手があるよな。従兄弟とか。
 
なんでしょう、なんか酷いことするにしても何かしらこう、彼なりの情とかからしたことだったらね、
話としてはまだ入れるんだけど(実際だからそれをしていいかというとそれはないんだけど)
どうも主人公の感情が希薄な感じで、
うーん、あり得ないような事をやりながらも一方では
普通のまっとうな考えも常識もありつつってところがリアルといえばリアルなんだけど
入り込めん。

こっからネタバレバレなんですが

  • 土曜の夜にお祖母さんの指先が赤く染まっていました
  • それは、木曜の夜に、別居している娘の口紅で「お化粧ごっこ」をして手を塗ったためでした
  • そして殺人は金曜に起きました
  • もし本当にお祖母さんが犯人だったら、死体に、赤い指の跡がついていたはずです
  • だからお祖母さんは犯人ではありません

というこの推理、アリでしょうか。
木曜日に口紅を指につけたとして、
殺人のあった金曜日までには何回もトイレに行っているはず、
そして1回は多分お風呂にも入っているでしょう、
それでもまあ、お化粧ってメイク落としでちゃんと落とさないと残ってたりするので
死体に口紅の成分がついているはず、という推理は、ありかもしれません。
が、
更に1日生活して、土曜の夜まで、パッと見てわかるくらい指が赤いってのはそもそもアリなのかしら。
昭夫(字違うかも…)さんは男なんでその辺よくわからんのかもしれんけど。
あ、実際は上の話は、昭夫を揺さぶるための「お話」だったんだけどもさ
それが話として成り立ってんのかって話ね。
しかし昭夫さんは、お祖母さんがサンドイッチ食べたり手袋いじったりするのを見てても
特に気付かなかった、そして気付いた後に木曜から塗っていたという話を聞いて
おかしいと思わなかったのだから、そんなに目立つほど赤くはなかったのかなぁ。
内側が赤いのが見えて驚いた、とか?
ただ気が動転してるから多少辻褄合わなくてもわからないってことかしら。
タイトルにもなるくらいなんだから、赤い指の描写をもちっとしてほしいもんだわさ。
 
あとこれは私が読みミスor理解してないだけかもしれんのだけど
死体に赤い色がついていなかった理由として「手袋をしていたため」はありえない、
なぜならお祖母さんが初めて手袋をしたのは事件の翌日に刑事が聞き込みにいったときだから
ということだったのだが
どうしてそのときが「おばあさんが『初めて』手袋をしたとき」と言えるのかな?
よくわかんなかったんですけど。
 
まーとにもかくにも息子にはなんの変わりもなく。救済も何も。
しかしそこまで話を広げてしまうと入りきらないか。。。
加賀親子の話はジンとしましたけどね。
 
あ でも 一展開ある前に、
「これから凄いものを見ることになるぞ」みたいな台詞が一々あるのが
ちょっとなーと、思いました。
そこで敷居をわざわざ上げなくてもいいような…。