電車にて

帰りの電車には、ここは貴方のおうちのソファかしら?というくらいばったりと横になって
熟睡しているおじさまがいらっしゃいました。
めずらしくぎゅうぎゅうに混んでいた車内ですが
とはいえ東西線ほどの混雑ではないため
こんな風に数人分のスペースをとって睡眠をとることも可能なわけです
東西線だと完璧に寝ていても縦のままでいられます)
周りに立っている人はみなシゲシゲとおじさまの顔を眺めています
おじさまはドア前を占領していたのですが
さて ついにそちらの方のドアが開く駅に到着しようとしています
すると周りの人たちがおじさまの腕を引いて
「危ないですよ」と声をかけながらひっぱります
が、おじさま熟睡中に付き無反応。
駅に着き、ドアが開きまして、みんなおじさんを避けたりまたいだりしながらホームに下りていきました
閉まり際になるとさっきとは別の人やってきて、おじさんが閉まるドアにぶつからないように引っ張ってくれました
発車してしばらくするとまた別の人が、おじさんを起こしにかかりました。
「ここは電車ですよ」となんども声をかけますがおじさんはイマイチわかっていない様子。
しかしその人に引き起こしてもらって、落ちた携帯も拾ってもらって、行き先も聞いてもらって、何とかまっすぐ立てて、ちゃんと降りる駅で降りられそうな気配でした。
皆イラついた顔もせず、すごく普通にやってたり、笑顔さえ見せていたりで、
なんだか皆とても親切だなあと思いました。